2014/08/07

【研究紹介6】意図的な嘘をつくときの状況要因とパーソナリティ要因(PLoS ONE, 2011)

Abstract(ざっくり和訳)
特定の状況が人を嘘つきにし、嘘をつきやすい特定の性格はあるのだろうか。嘘をつくときの性格や環境の相互作用は、一般社会において何が不誠実さを促進するのかを理解するために非常に重要である。嘘をつく行為は本質的に自発的かつ社会的であるため、実験環境において自然な形でこの行動を再現することは非常に困難である。本研究ではこの問題を解決することができる新しい手法を開発した。参加者は、自分が嘘をついたかどうかが相手に開示されるリスクと、不利益を回避するか利益を獲得する状況において、相手に嘘をつくかを判断するやりとりする課題である。このような生態学的に妥当な実験手法は参加者が自発的に嘘をついたり、他者から嘘をついていたことを責められたりすることを実現している。不利益を回避する状況において、人は嘘をつくようになっていた。コミュニケーションに関する性格も重要な役割を担っていたが、他者に嘘をついたことが開示されるリスクがあるときに嘘をつかなくなっていた。本研究の結果から、自分にとって望ましくない状況は嘘をつくことを促進し、特に社会的に受容されたいと考えている人は、相手に嘘をついたことが開示されるリスクがあるときに、嘘をつくことが抑制されることが示唆された。

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●文献情報
Panasiti, M. S., Pavone, E. F., Merla, A., & Aglioti, S. M. (2011). Situational and dispositional determinants of intentional deceiving. PLoS ONE, 6(4), e19465.