2014/08/18

【研究紹介14】睡眠不足と欺瞞の自己制御モデルの構築:カフェインと社会的影響の役割(Journal of Applied Psychology, in press)

Abstract(ざっくり和訳)
近年、就業者の睡眠時間は徐々に短くなっている。先行研究では、睡眠不足は自己制御資源を消耗させ、非倫理的な行動を増加させることが示されている(Barnes, Schaubroeck, Huth, & Ghumman, 2011; Christian & Ellis, 2011)。本研究では、睡眠不足・自己制御資源の枯渇・欺瞞行動の従来の媒介モデルを拡張させるための実験を行った。まず、カフェインの摂取が自己制御資源を補充させる精神薬理学分野の知見から、睡眠不足と自己制御資源の枯渇の関連性を媒介する仮説を設定した。次に、自己制御資源が枯渇した人は他者からのネガティブな影響に抵抗できなくなるといった最近の社会心理学の知見から、社会的影響が自己制御資源の枯渇と欺瞞行動を媒介する仮説を設定した。実験室実験の結果は、調整変数と媒介変数を組み合わせた拡張モデルを支持し、職場での欺瞞行動に対する睡眠不足の役割を理解するための枠組みを提示した。

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●文献情報
Welsh, D. T., Ellis, A. P. J., Christian, M. S., & Mai, K. M. (2014). Building a Self-Regulatory Model of Sleep Deprivation and Deception: The Role of Caffeine and Social Influence. Journal of Applied Psychology, E pub ahead of print.