2014/08/13

【研究紹介12】皮膚温から無意識的な虚偽検出を測定する(Frontiers in Psychology, 2014)

Abstract(ざっくり和訳)
虚偽検出に関する先行研究では、人は意識的に嘘を検出することは得意ではないが、直感レベルでは嘘を検出できている可能性が示されている。本報告では、嘘をつく人を見ているときの観察者の生理反応は、本人が気づいていなくても、嘘をつかれたことに反応している可能性について議論したい。この可能性を検証するための手法として、個人情報について真実か嘘を話す人のビデオを見ているときの、観察者の指の温度を測定することを提案する。先行知見から真実よりも嘘を話している人を見ているときに、観察者の皮膚温は低下すると予測される。さらに、嘘をつかれている可能性を示されないときと、示されるときに皮膚温が影響を受けるかについても検討する。これは参加者の疑惑を操作することで検討する予定である。また、嘘をつく人と真実を話す人に対する生理反応を測定した後に、観察した人に対する直接的な信憑性の判断(信頼性)か、間接的な信憑性の判断(嗜好)について検討する予定である。先行知見から、直接的な指標よりも間接的な指標の方が虚偽検出の指標として正確性が高いと予測される。

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●文献情報
Van’t Veer, A. E., Stel, M., Van Beest, L., & Gallucci, M. (2014). Registered report: measuring unconscious deception detection by skin temperature. Frontiers in Psychology, 5, e442.